1.既存の大手中学受験塾のシステムでは成績が上がりにくい理由

  塾のありかたとして、高校受験・大学受験予備校の場合であれば、基本的な根本原理の学習は学校に任せ、それを前提として、塾でレベルの高い問題演習をさせるシステムで通用します。これは、学校で根本原理の履修に多大な時間をかけるからこそ、可能なシステムなのです。

  ところが、中学受験の場合、高校受験や大学受験と違って、学校の履修内容にないテーマが聞かれるため学校の勉強内容があまり役に立ちません。

  そのため既存の中学受験の塾では、学校での学習をあまり前提とできませんから、本来、大学受験予備校のような「問題演習中心のシステム」とは違ったシステムを構築すべきです。つまり、問題集を使って演習させる前に、学校の教科書的なものを用意し、根本原理を学習させる必要があるのです。

  しかし、現状では、残念ながら大手の中学受験塾のほとんどが、大学受験予備校の「問題演習中心のシステム」を踏襲しています。既存の大手塾でも、「問題演習式のテキスト」はあるものの、「根本原理を教える講座」がないどころか、「教科書的なテキスト」すらないのが現状です。

  このような事情があるため、中学受験の場合、塾に通ってうまくいく子は、「全体の1割程度」とも言われています。これは驚くべき数字です。9割くらいのほとんどの子が、様々なものを犠牲にして大切な時間を費やしているにも関わらず、うまくいっていないということだからです。

  このような事情があるため、塾の中には、「親自身が受験生になれ!」と、親に勉強させ、子供に指導させようとする塾もありますが…

2.親御さんの指導による現状
  ⇒なぜ親御さんが指導すると失敗するケースが多いのか?

(1)正しい関わり方ができていない現状

  このような現状があるため、よく塾では、「中学受験は親御さんの役割が大切だ!」とか「親が受験生になれ!(N研)」などと言われ、親御さんが指導することを奨励しています。しかし、これだけでは家庭内での現状・現場を知らない意見であり、片手落ちです。
  家庭の現場で指導している我々家庭教師から見ると、親御さんが指導して成功しているのは、これも1〜2割りくらいです。残りの8〜9割りは失敗しています。実は、この数字は、上記でも述べた「塾で成績が上がる子は1割」という数字とピッタリ符合します。結局、正しい指導ができる家庭では塾でも効果が出て成功し、正しい指導ができない家庭では失敗しているとも言えるわけです。

(2)親御さんの指導で失敗が多い理由
      …中学受験勉強をあまりにも「学問的」に捉えすぎている

  指導している親御さんというのは、ほとんどといっていいくらい高学歴の親御さんです。それなのになぜ、これほど多くの親御さんが失敗するのでしょうか?これは、高学歴であるということが逆にマイナスに働いてしまうからです。

  高学歴な親御さんであればあるほど「高度な学問」をした経験が豊富なものですから、テキストの解答集に載っている「解答」を学問的に再現して、それを子供に覚えさせようとして「覚えが悪い」と怒ったり、「勉強をヤレヤレ」と、楽しませるどころか逆に苦痛を強いてしまい、結局「勉強嫌い」にさせてしまう傾向が高いのです。特に、権威主義的な強い親御さんに多く見られますので、ご注意ください。

3.中学受験の効果的な学習とは?
 ⇒中学受験の効果的な学習方法は、他の受験と根本的に違うことを知るべし!!

  中学受験生は、小学生です。失敗経験も成功経験も少ないものです。「勉強が重要だ」とか「効率的な学習方法」と言っても、言葉として理解はできますが、大人のようにはピンとはきていないのです。そのため、親が一生懸命勉強を教えても、まだモチベーション(やる気)自体がないですから、なかなか頭に定着しないのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

例えば、「算数」といのは、いわゆる「学問」と捉えるのではなく、「思考力を鍛える訓練のための道具」と考えるのがいいと思います。「数学」では、例えば微分積分の問題で、解を導き出す解答は、誰が解いても世界共通の1通りの解答方法しかありません。他方、「算数」はどうでしょうか、例えば、濃度の解説で、「面積図」で解く方法もあれば「線分図」・「てんびん図」で解く方法もあります。結局、何で解いてもいいのです。これじゃなければいけないということはないのです。問題を解決できる賢い人になるための「思考訓練」なのですから、この思考訓練ができればいいのです。そして、どうせ「訓練」するならば、スポーツと同様、「楽しく」した方がよいのです。

そこで、具体策として…

(1)算数の効果的な学習方法…

重要なポイントは、親が主体的に関わりリードしてやり、「楽しく!」ということです。
(この点が、高校受験・大学受験と大きく違うところです)

【親と子の楽しい算数学習法】
1.「遊び的要素を取り入れる」…クイズ形式にする。パズルにしてみる。平面・立体の模型を作ってみる。野菜などを切って実験してみる(算数実験というこれまでにない発想)。
2.「科学的暗記法を取り入れる」…語呂合わせ。物語化暗記法。替え歌化暗記法。関連暗記法。運動暗記法。など様々な暗記法を取り入れて「遊びの一環として楽しく」一緒に遊んでみる。
3.「市販されている面白勉強グッズ」…「CD」「カード」など色々面白いものが売っているので、これらを試してみるのもいいでしょう。

(2)国語の効果的な学習方法…

「うちの子の国語の成績が全体の足をひっぱっているんです…」

国語を担当する私のもとに届く父兄からの悩みの大半が上の言葉です。他に「国語だけ成績が伸びないのですが。」とか「国語にはすぐに成績を上げるための秘訣があるのですか。」などがあり、中には「国語はいくら勉強してもできないのであきらめています。」という言葉を口にする人もいます。

その一方で「国語は日本語だからそのうちにできるでしょう。」とか「国語ができなかったのはたまたま文章がむずかしかったから、次は大丈夫です。」と、根拠なきプラス思考で語る人もいます。

ここ数年感じることは、国語の成績が伸びずに悩んでいる生徒が増加傾向にあり、同時に四教科(算国理社)の中で国語だけが何か特別な、言いかえれば「異端児」のような存在であり、どう接してよいかとまどう生徒(父兄も含めて)が増えていることです。

結論を言えば「国語は『正しい解き方』をすれば、決して難しい教科ではなく、取り組み次第ではどの科目にも先んじて成績アップが図れるおいしい分野である。」ということです。

(3)理科の効果的な学習方法…

最近の傾向は、4分野からまんべんなく出ている。また、身近なテーマを問題とする事はもはや定着したと言って良い。

○芝中  ・・・ファィンティング・ニモよりクマノミのひれの付き方
○東洋英和・・・フェーン現象 
○巣鴨  ・・・気象衛星からの写真
○他   ・・・空気鉄砲・二酸化炭素・環境問題

※ 2006年は上記以外に地震・津波の対策をすると良い! 2005年入試問題作成にスマトラ沖・新潟中越地震を組み入れたくても間に合わなかった学校が多かったからである。また、実験についてグラフ・表から分析して考える問題も増加している。
 つまり、4分野のまんべんない学習及び身近な問題への興味が「鍵」となる。

(4)社会の効果的な学習方法…

例えば麻布中・・・「富岡製糸場では何を原料として何を作っていたのか?」明治初期の貿易の様子や地理的特徴を押さえていないと、原料の「繭 」はなかなか答えられない。時事問題ではオリンピック・市町村合併・自然災害・環境問題が出題された。 3分野(政治経済・地理・歴史)のいづれも「国際社会」 が「鍵」であったし、今後もこの傾向は続くと考えられる。また、2005年はヨーロッパに焦点が合わされる傾向が強かったが、2006年は「中国」「東南アジア」 が危ない。
○ スマトラ島沖地震・バンドン会議の絡みからインドネシアが注目される事は必定!
○ 中国は「反日」から大戦前後・近代の日中関係史は要注意と言える。
○ 日本の常任国入り問題から「国際連合」は押さえるべきだ。
○ 早稲田・明の星が昨年出題した「国旗」は危ない。