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みなさんの勉強部屋にはたくさんの教材があると思うんです。学校や塾でもらったもの、通信販売や本屋で買ったもの、兄さんや姉さんのおさがりなどがありますよね。その中には、「この参考書はすばらしい!これがあれば成績はあがるぞ」と思いつつも手がつけられないでいるものもあると思います。
よく「成績が上がらない」「進度についていけない」という声を耳にします。このような人はそのように意識している分、やる気は満々です。しかし、「成績が上がらない」「進度についていけない」という人は他人と競争することばかりに目がいっていて、自分のレベルに目をつぶってきたんです。学校や塾のような集団授業ではみんな同じ教材・カリキュラムを使いますから、みなさんもついあれもこれも完璧にやらなきゃと思いがちです。しかし、完璧に全部やる必要はありません。みなさんはこれまでにも勉強をしてきているはずですから、まず自分がどのようなレベルにあるかを家庭教師の先生に相談して、今これから勉強すべきことをカバーできる1~2冊の教材に絞る必要があります。家庭教師を利用するみなさんは、今の自分の実力からみて必要なところからスタートすればいい、つまり一つの教材・カリキュラムに縛られる必要がないんですね。
何が必要な教材かは、愛着や思い込みがあって自分ではなかなか絞りきれませんから、やはり家庭教師の先生に相談するのがよいでしょう。
ただ、家庭教師の先生に「○△高校に絶対に合格するぞ!」とか「クラスでの順位を5つ上げるぞ!」とか「この問題集を最後までやり遂(と)げるぞ!」というような目標を伝えることを忘れないでください。目標を持ち続ければきっとその目標は達成できるからです。また、大人でもそうですが、人は自分で掲げた目標でしか動きません。いくら立派な目標であっても、人が言い出した目標には100%従うことはありません。重要なのはみなさんが自分で考えて目標を決めることなんです。
“高校受験対策をする気はあるけれど、どこから始めていいか分からない人”や“自分で学習計画が立てられない人”は多いと思います。これから高校受験対策を始めるみなさんには、家庭教師の先生に“傾向と対策”を分析してもらうことが決定的に重要です。「傾向と対策」とは、特定の高校に合格するのに必要な学力と現在のあなたの学力とのギャップを埋めるための具体的な方法をいいます。どのような問題が出題されるかだけなら、入試問題を見ればだれでも分かります。しかし、その攻略方法は十人十色であって、本当は“現在のあなた”がどうすればよいかが決定的に重要なんですね。集団の塾ではこうしたことは教えてくれない、まさに家庭教師の先生でないとダメなんです。集団塾の場合でもそういうアドバイスをしてくださる先生もいますが、生徒が実際に実行できるように助走してくれる、見守ってくれるところまでは手が回らないんですね。では、家庭教師の先生がしてくれる“傾向と対策”はどのようなものか、高校受験を控えた中3生の場合を例にみてみましょう。
まず、A高等学校(都内、私立、女子)に合格したMさんの例。Mさんは、テニス部でキャプテンをしていました。中3の4月になって塾に入りましたが、9月になっても成績が伸びません。かなりあせってきました。そこで、A高等学校の入試問題をみると、英語は2~3年おきにほぼ同じ問題がでる、数学は空間図形と確率は出題されない、国語は長文2題だけです。もっとよく入試問題を見てみると、中学2年生の分野をマスターしていれば合格点がとれちゃう。そこで先生は、「Mさん、学校の定期テスト対策に平行して中2の内容を徹底的に復習すれば、A高校に合格できますよ」と言ってくれました。実際、Mさんは先生の言葉に安心し、勉強に集中することができました。結局A高等学校に合格し、好きなテニスに打ち込むことができました。
次は、国立大学付属B高等学校(都内、女子)に合格したNさんの例。Nさんは中1から有名進学塾に通い、ずっとトップクラスにいました。ただ、中3になっても数学の成績だけは伸び悩んでいました。そこで、B高等学校の入試問題をみてみると、数学はそんなに難しくはない。Nさんは、中1のときから難問ばかり解かされていて、数学の授業中、自分の計算が終わらないうちに授業がどんどん先に進んでしまい、数学が苦手と思い込んでいたんですね。そこで先生は、「最後まで自力で解いてごらん、どんどん早く解けるようになるよ」と辛抱強く励ましてくれて、Nさんは実は難問を解く力があることを証明してくれました。見事合格を果たすことができたことはいうまでもありません。
次に、私立大学付属C高等学校(都内、共学)に合格したO君の例。O君はもともと地元の公立高校にいくつもりでしたが、もう受験勉強はしたくないとも思い、大学へエスカレーター式に入学できるC高校も捨てきれないでいました。しかし、O君の成績は学校でも中くらい、英語は特に悪い成績でした。そこでC高校の入試問題をみてみると英語がやたら難しく、今の偏差値ではC高校の合格は絶望的でした。そこで、先生は、学校の定期テスト対策は現在の成績を維持できる程度におさえて、主要3科目に全力を集中させる作戦を提案しました。O君は先生のアドバイスでC高校の学校見学に行き、ますますC高校に合格する夢が膨らんだだけでなく、「3科目だけならなんとかなるかも・・・」と思い始めました。そこからは合格一直線です。O君は先生が出してくれた難しい英語の宿題をなんとかこなすことができ、一流大学付属高校合格の栄冠を勝ち取りました。
もちろん高校入試ではこのようないい話ばかりではありません。勉強より友達との約束を優先してばかりいたP君は、希望した公立高校に不合格となり不本意な私立のD高校に進学せざるを得なくなりました。本当に落ち込んだのはP君のお母さんでした。それを見たP君は気持ちのやり場がなくなり、先生の前で大きな体を震わせながら涙を落としました。P君は、常に「自分が何をすべきか」をもっと真剣に考えておくべきでした。大人でもそうですが、人は自分で出した結論でしか動きません。いくら正論であっても、人の下した命令には100%従うことはありません。重要なのはみなさんが自分で考えて行動することなんです。 このように、みなさん一人ひとりが「今何をすべきか」ということを具体的に決め、自分の個性や目標に応じて勉強の量と質を絞り込む、これが「傾向と対策」なんですね。学校別過去問題集のはじめにのっているような出題分野一覧表を眺めるだけでは行動に移すことは難しいんです。
勉強していると、いいアイデアがふっと浮かぶことってありませんか。そういうアイデアをマメにノートにとっておいて、君だけの法則集を作っちゃいましょう。
例えば、数学の因数分解の例。たいてい、“共通因数でくくる”→“公式を使う”→“解の公式を用いる”、という順で習いますよね。そしてたくさんの問題を解きます。でも、因数分解ならどんな問題でも解けるという自信はなかなかつかないっていう人もいると思うんです。因数分解は公式ももちろん重要なんですが、実は一文字整理(例えば Xという一文字だけに注目してすべての項を次数の大きい順に並べる作業)と共通因数でくくることが圧倒的に重要なんです。この作業をしないと、せっかく覚えた公式が使えないことがほとんどなんですね。公式を使う前にまず一文字整理と共通因数でくくる、これが因数分解が解けるようになる法則です。
次は、英語の不定詞・動名詞の例。中学校2年生で不定詞と動名詞を習いますね。この区別にも法則があるんです。有名な例は、次のような例ですね。
My father stopped to smoke. (父はたばこを吸うために立ち止まった)
My father stopped smoking. (父はたばこを吸うのをやめた)
この二つの例文で上の“stop”は「立ち止まる」、下の“stop”は「やめる」というように、“stop”の意味が異なっています。なぜかというと、不定詞の内容がこれからすることを意味するのに対し、動名詞の内容はすでにしていることを意味する、という法則が働いているからです。上の例文では、“smoke”が不定詞“to smoke”となっていますから、“to smoke”は単に「吸う」ではなく「これから吸う」という意味になっているんです。反対に、下の例文では、“smoke”が動名詞“smoking”となっていますから、“smoking”は「すでに吸っている」という意味になるんです。だから、例文のように“stop”の意味が変わるんですね。同様のことはrememberなどにもあてはまりますし、また、hopeの後にはなぜ不定詞がくるのか、なんてことも説明がつきます。この法則を知っているだけで予測をつけて英文の読み書きができるようになるんですね。
最後に、漢字クイズを出しましょう。専門の「専」、博士の「博」などは右上に「、」がつくかどうかについて実は法則があるんです。その法則とは、さてなんでしょう。それは、音読みして「ハヒフへホ」で始まるものには右上に「、」がつくんですね。「縛(しば)る」の「縛」などのように同じ旁(つくり)の漢字を探してこの法則があてはまるか試してみましょう。このほかにもいろいろな法則があるんですが、こういった法則を家庭教師の先生に教わると学習した内容が記憶に残りやすいですね。
理解の仕方について法則があるように、試験問題の解き方にも法則があるんです。
例えば国語の選択問題。国語では、文章の内容に応じて、つまり説明文・随筆文・物語文・韻文等によって解法があります。これらは内容はバラバラですが、共通した出題形式があります。「次のア~エのうちでもっとも正しいものを一つ選びなさい」なんてやつです。この場合、答えが一つだけであることがミソなんです。仮に、ア=春、イ=夏、ウ=秋、エ=夏休みの季節、だったとしましょう。答えは一つだけですから、イとエは答えになるはずはないんですね。イとエは同じことなんですから、2つともいっしょに答えにすることなんてできない。こうすれば、問題文を読むことなく答えをアかウに絞(しぼ)り込むことができ、解答時間の短縮に役立つんですよ。
「そんなのズルい!」という声が聞こえてきそうですが、合格していった先輩たちはこうした法則を当然のように使っているんです。
みなさんの中には、「基本問題は解けるけれども応用問題が解けない」「少しひねられると問題が解けない」なんて人もいると思います。応用問題が一発で解けないのは当然なんです、“応用問題”なんですから。しかし応用問題を放っておくことがまさに“大問題”でして、高校受験に合格するために必要な基本が身につかないおそれがあります。塾では、「難しい問題はしなくていいよ」なんていわれる場合が多いんですが、とんでもないことです。そんなことを言われたら見放されてしまっているようなものです。
例えば、英語で習う“not~any”、意味は「ひとつもない」でしたね。しかし、“not~any”をそのまま暗記したのでは入試に太刀打ちできません。高校入試では次のように姿を変えて出題されるからです。
Taro didn't have any pencils.
None of them have any pencils.
Taro has never visited any pleasure grounds.(a pleasure ground;遊園地)
しかも、“not~any”を逆にして、
Anyone couldn't go swimming in the river.
なんて用いるのは適当ではなく、
No one could go swimming in the river.
とするのが適切です。
Anything will do. のように肯定文で用いるanyの用法と混乱を避けるべきですし、また、表意者の意図は“not”にあるわけですから“not”は最初にもってくるべきだからです。単に“not~any=no”と覚えて「一丁あがり!」じゃないんです。
“基本が大切”といわれますが、“基本を丸暗記するのが大切”じゃなく、“基本を使いこなせるようになるのが大切”なんです。応用問題を解き直すことで、基本事項がどのように使われるか、どこまで勉強すればよいかを研究する、これこそが本物の高校受験対策なのです。
もう一つ数学の例、中3で習う二次方程式の解の公式を挙げておきましょう。
二次方程式の解の公式は、です。
この公式も計算だけで使うのはもったいない。次の二次関数の問題で一次式の傾きと切片を求める場合にも応用できます。
【答え】の解法によれば一発で答えがでますね。y=ax+b とおいて連立方程式を解く必要はないんです。このカラクリの理由は二次方程式の解の公式を一次式の“傾き”の求め方にあてはめるなどして簡単に導くことができます。みなさんも各自考えてみてください。
このように、応用問題を解き直すことで基本事項をどのように使いこなすことができるかを知ることができるんですね。基本問題を理解したということは、おおげさにいうと基本事項がどのように使えるのかを1時間でも2時間でもペラペラ話せるようになることなんです。実際、家庭教師の先生は基本事項を身につけているから2時間も授業ができるんですね。このようにして初めて未知の問題が解けるようになります。基本イコール実力なんですよ。それなのに、応用問題が解けないからといって、その問題を丸暗記しようとしたり、ヤケになって投げ出しちゃったりすれば、結局は基本が身につかないんです、これはもう非常に残念ですよね。
応用問題の取り組み方を具体的にいうと、“5回より5通りで解く”ということです。「5回」というのは少し大げさですが、つまるところ問題を丸暗記するんではなく、できるだけ多角的に問題をみなさい、ということなんです。このような問題意識を早くから身につけた人は本当にラッキーです。家庭教師の先生も張り切っちゃって、テキストにないこともどんどん教えてくれるようになるんですから。